個人の声を、社会を変える力へ
一人では届かない声を、届く声に変える
私は、長年にわたる職場でのハラスメントをきっかけに、個人と組織の間にある大きな力の差について考えるようになりました。
被害を受けた側が声を上げても、
「証拠がない」
「時間が経ちすぎている」
「対応は難しい」
そう言われてしまえば、そこで終わってしまう。
相談する場所があっても、実際の救済までたどり着けるとは限りません。
私は、この状況を「仕方がない」で終わらせたくありません。
なぜ、被害を受けた側だけが諦めなければならないのか
問題を起こした側が何もなかったかのように日常へ戻り、被害を受けた側だけが長く苦しみ続ける。
そんな構造を、当たり前にしたくありません。
私は、自分自身の経験を通じて、
「救済制度が存在すること」と「実際に救済されること」は、本当に同じなのか。
という問いを社会に投げかけたいと考えています。
これは、特定の会社や個人を攻撃することだけが目的ではありません。
一つの事例を出発点として、個人が組織と向き合うときに何が起きるのか、既存の制度には何ができて何ができないのか、そして声を上げた人が孤立しないためには何が必要なのかを考えていきます。
個人でも、選択肢は増やせる
私は当初、問題をどう解決すればいいのか分かりませんでした。
専門家に相談し、行政にも相談しました。
それでも解決への道が簡単に開かれたわけではありませんでした。
そこで私は、
「他に何ができるのか」
を考え続けました。
大学、研究機関、人権機関、行政、メディア、第三者、企業など、さまざまな立場の人たちにこの問題を知ってもらう。
そして、AIも活用する。
文章を作るだけではなく、情報を整理し、考えを広げ、選択肢を探し、次に何ができるのかを考えるための道具としてAIを使っています。
一人では届かなかった声を、少しでも多くの人に届けられる声に変えていく。
それが、この活動の出発点です。
「諦めない」という選択肢を
私は、声を上げることが得意な人間ではありません。
だからこそ、同じように「どうしたらいいのか分からない」と悩んでいる人がいるのではないかと思っています。
声を上げることができない。
相談しても解決しない。
組織の力が大きすぎる。
そんな理由で、自分の受けた被害をなかったことにしてしまう人がいる。
私は、その人たちに、
「諦める以外にも、選択肢がある」
と伝えられる存在になりたい。
自分の経験が、誰か一人でも次の一歩を踏み出すきっかけになるのであれば、この経験にも意味があると思っています。
目指しているのは、誰かを排除する社会ではない
被害を受けた人の尊厳は守られなければなりません。
同時に、問題を起こした人が責任を果たし、その後どう社会の中で生きていくのかという問題も考えなければなりません。
責任を問うことと、人間を社会から排除することは同じではありません。
被害を受けた側が泣き寝入りすることなく、問題を起こした側も責任から逃げることなく、最終的には互いが社会の中で生きていける。
私は、そんな社会のほうがいいと思っています。
この世代で、終わらせたい
なぜ、みんな仲良くできないのか。
なぜ、声を上げた人だけが苦しみ続けなければならないのか。
なぜ、組織と個人では、これほどまでに力の差があるのか。
私は、この問いを自分の世代で終わらせたい。
次の世代に、
「昔からそういうものだった」
と引き継ぎたくありません。
この活動が大きくなるかどうかは、まだ分かりません。
それでも、一人の人間が「おかしい」と感じたことを、そのまま諦めずに考え続ける。
そして、一人ではできなかったことを、誰かと一緒にできるようにする。
そのための活動を続けていきます。
一人の声から、社会との対話へ。
それが、このプロジェクトの目指すところです。

