今の人は信じないかもしれないが、昔のSEOサイトは消える前提だった。
育てるというより、打ち上げる感覚に近い。
上がる時は一気に上がる。
だが飛ぶ時も一瞬だった。
だから当時のSEO勢は、ひとつのサイトに人生を賭けない。
順位があるうちに次を作る。
これを繰り返していた。
当時、コミュニティでよく聞いたのが「サメの歯作戦」という言葉だった。
検索結果に、自分のサイトを何枚も並べる。
1位が飛んでも2位。
2位が飛んでも3位。
サメの歯みたいに並べておく。
これが異常なほど強かった。
もちろん今みたいにAIで数秒生成ではない。
無料ブログを取る。
ドメインを取る。
サーバーを分ける。
IPを気にする。
リンクを送る。
地味で泥臭い。
しかも無料ブログは突然消える。
だから量産する。
今思えば、完全に消耗戦だった。
だが当時は合理的だった。
実際、自分も無料ブログ取得ツールを入れたノートPCを外注に渡して量産していた。
今なら怒られそうな話だが、当時はそれくらい順位が重要だった。
順位が上がるだけで、世界が変わる。
ASP管理画面の数字が急に跳ねる。
今まで1件だった発生が、突然10件20件になる。
あの瞬間を知ってしまうと、人は戻れない。
だから皆、また作る。
飛んでも作る。
消えても作る。
SEOの師匠から、
「※ムーさんはゾンビみたいにまた上げてくるよね」
と言われた事がある。
※当時のハンドルネーム
今でも妙に覚えている。
実際その通りだったと思う。
飛ぶのは前提。
問題は、そのあと何を出すかだった。
だから当時のSEOは、職人というより戦場に近かった。

